自己愛とモラハラ
今度はちょっと難しいお話をします。
心理学や精神医学に触れる話をします。
あなたは「自己愛性パーソナリティ障害」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
「自己愛」と書かれているので、「自分大事なんだな」と何となく予想はつくと思います。
しかし、実際は逆で「自分の劣等感を隠すために意地を張っている」のです。
さて、どういうことでしょう?
幼少の頃にテストで100点取ったとしましょう。
「よしよし、良くできた子ね!偉いわ!」とおもちゃを買ってもらえました。
しかし、次のテストでは10点しか取れませんでした。
すると、「あんたは出来損ないね!あっちいってちょうだい!」と否定的な返答が返ってきます。
そうなると自分はいつも100点を取る優秀な子どもにならなければいけなくなります。
それがどんどん膨らみ、「自分は周囲に称賛されるに値する人間だ」と思いこむのです。
そうしないと、自分のもろい自己愛が崩れてしまうからです。
何でも上へ上へ目指しますが、努力はしているかというとそうでもないこともあります。
それでも自分は偉いのだと。
周囲は単なる自分を上げたり称賛してくれたりする「道具」でしかなく、使えなくなると平気で捨てます。
さてそこのあなたに「夫が偉そうでいつもけなしてびくびくしている」という方もいらっしゃると思います。
自分が妻の優位に立つことで威張ることしかできない、哀れな夫だと感じたことはあると思えるようになるでしょう。
ただ、怖いのは確かですそれは本当です。
ただ、夫はあなたがいないと何もできないのです。
だから、逃げだせば保っていたもろい自己愛が崩壊する。
離婚したくないのは、そういうことです。
(参考文献)
自己愛性パーソナリティ障害のことがよくわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)
- 作者: 狩野力八郎
- 出版社/メーカー: 講談社
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